福知山線脱線事故。


本当に痛ましい事故が起こってしまいました。
かくいう私も、鉄道という乗り物を生業としている人間です。
その立場からこの事故について少し書いてみようと思います・・・・。
最初にお断りしておきますが、もちろん私はJRと何の関係もない、
しがない地方私鉄の従業員。
その為無知により気分を害されることも有ろうかと思われますが
その点についてはあらかじめご了承願いたいと思います。


さて・・・・・・。
報道関係者たちは「誰が、どこが悪い」とすぐに犯人探しを始めます。
誰のせい、と言われれば最終的に運転士の責任でしょう。
残念ながら、運転士しか真実は知りません。
ですがこの運転士も亡くなってしまいました。


冷たいかもしれませんが、もう起こってしまったことはどうしようもないのですよ。
亡くなった方々が戻ってくるわけではありません。


大事なのは、どうしたら事故が防げるかと言うこと。これに尽きるでしょう。
実は、これももう答えは出てしまっています。
「防ぐのは、無理」と言うのがその答えです。
防ぐ努力は誰でも、どこの会社でもするんですよ。それでも事故は減りません。
電車も飛行機も動力を持って移動している以上、事故をゼロにするというのは
100%不可能です。
事故を起こさない唯一の方法は、「運行しないこと」です。走らない、飛ばない
と言うことが事故を起こさない絶対的な対策なのですが、そんなこと出来るはずも
ありません。
もちろん、事故の件数を減らすことは努力次第で改善出来ます。


鉄道業界というのは残念ながら隠蔽体質というのが色濃く残っている業界です。
なぜなら、「電車は平常通り動いている」という目に見える事実が提供出来るからです。


事故直後に言われていた運転士云々の問題じゃないです。
JR西日本という会社の体質そのものに腐敗や欠陥があるという事を、マスコミは
もっともっと報じなければなりません。


今、頻繁に言われている「日勤教育」の中身について、もっとマスコミは報じるべきです。
あの内容を見ると、もう人間扱いされているとは思えない卑劣で悲惨な物です。
良くアレで組合が黙っているなぁと言うある種感心してしまうような内容になっています。
動力車運転に何故草むしりが必要なのでしょうか??
便所掃除と運転技術の関連性って一体なんでしょう???
また、夕刻になるとホームに立たされ、


「私はオーバーランをしました。反省の為にここに立っています」


等という内容を大声で、言わされるそうです。
それも何時間も、暗くなるまで何度も何度もです。


ここまで来ると、果たしてJR西日本という会社は「運転士」
と言う職業をどの様に考えているのか、甚だ疑問に思えてきます。


電車の運転士は国家試験に合格した運転士です。
そのプライドをズタズタにして置いて「反省がない」などと更に酷なテーマを課して
運転士を精神的、肉体的に追いつめていく。
その結果、「あいつは異常だ」等という結果が生まれたりする。
当たり前だと思うんですけどね。


しかも、判断する管理職の人間(本社課長職以上あるいは現場長)がその乗務員自身を
好き嫌いで判断しているようですから結果にも当然出てくるわけで。
「俺はお前が嫌いだ。はいやり直し。」って言うことですら、良しとされている
のは否めない事実でしょう。


こんな教習を受けた後にマトモに運転など出来るわけがありません。
そう言う点においては、JRは攻められても仕方がないし、改善すべき事だと思います。
普通に考えても「ヒドイ」と思うことを平然とやっていたこの会社の俗に言う「キャリア」
の連中というのは一体どんな精神構造をしているのか、そういう調査も必要です。
一度、精神科への通院をオススメしますね。


それから、遺族の方々。
お気持ちは見ている私たちにも充分すぎるほど痛く映りますし想像を絶する悲しみを
持って毎日を過ごされているかと思うと他人事ではないなとは思います。
ただ、TVで良く映っているのを見ますが西日本のヒラ社員に対して責を問うという
のは全くの筋違いです。
彼らは、「西日本旅客鉄道」という会社に雇われているだけです。
もちろん、従事する為の教育をキチンと受けているはずです。
本当に言いたいこと、伝えるべき事はもっと偉い人に言うべきでしょう。
責を問われるべくは、現場長より上の責任者であると言うこと。
事故の本質の判らない人間がいくらでも蔓延る様な会社で末端の人間にだけ責任を
取らせようとするような甘い考えを持った人間に対しては大いに鉄槌が下されるべきです。
このことを肝に銘じなければ、こんな事故はいつまでも続きますよ。


それに解っているとは思いますけれど亡くなった方はもう二度と還ることはないです。
現に、事故後のJRは驚くほどにその正確さを失っています。
もちろん、その極度の緊張が原因にあるのは目に見えています。
現場の人間を攻めるべきではありません。


恐らく駅などでも駅の係員に対して罵声を浴びせている遺族の方でもなく乗り合わせた
わけでもない、全く関係のない人間がいると思います。
気持ちはよく判りますがこれも筋違いです。
あなた方は被害者でもなければ何でもないのです。
私から見れば「火事場泥棒」と同じ、程度の低い人間にしか見えません。
窓口でウジウジ言っている位なら、本社に怒鳴り込めばいいのに
そんな根性もない腐った連中が中途半端な正義をかざすのはやめて欲しいですね。
いうなれば、「1分遅れた」とか言う乗客も事故の原因の一端を担っているのですよ。


仮にですが、「1分30秒」遅れたままで良ければ今回の事故は起きなかったとも
言えるわけですよ。
その1分30秒で罵声を浴びせられる為、その時間を取り戻す為に無茶な運転を
していたわけです。
そう言っているような人間が、またJRのヒラ社員を責めるというのは完全なお門違いです。


たら、ればを語り出すとキリがありませんけれど・・・・・。


最後に、1つ問いたいと思います。


「鉄道に対して、安全以上の何を求めますか?」


鉄道会社が快適なサービスを提供出来る根底にあるのは、「安全である」という根拠が
無ければ成立しません。
安全をおろそかにした上でのサービスを求めるので有れば、その責任を誰が取るのか
と言うことまでしっかり考えた上で要求してください。